保育・教育

【幼稚園教諭・保育士】幼保小連携について考える

少し前に受けた研修と、そこから見えてきたことについてまとめます。

研修内容は幼保小連携についてです。幼稚園教諭と小学校教諭が参加していました。

幼保小とは幼稚園、保育園、小学校のことです。

幼保小連携が必要な理由

連携が必要な理由は、小学校入学時に子どもが感じる段差を少なくするため。

自分またはお子さんが小学校に上がるときに、段差を感じましたか?

幼児教育と小学校教育には大きな差があります。その差にお子さんだけでなく、親としても戸惑ったかたも多いのではないでしょうか。

 

幼児教育と小学校教育の大きな違い

幼児教育は遊びからの学びが中心です。例えば縄跳びなら、幼児教育では体を動かす楽しみを知るためのツールですよね。

小学校教育になると「なわとびカード」を使って点数化するなどの評価が加わります。

幼児教育ではどれくらい伸びたかを個人の中で見るのに対し、小学校教育では評価基準に対する絶対評価に変わります。

縄跳びが好きでも、スタンプがもらえないと評価されないという現象が起こります。

 

小1プロブレムとは?

小1プロブレムとは小学校という新しい環境に馴染めず、集団行動ができない、周りとは違う行動をしてしまう、授業中座っていられない、立って歩く、先生の話を聞かない、という状態が継続する問題のこと。

頂いた資料は平成22~23年度のものでしたが、小1プロブレム発生の割合は20%前後。

約5校に1校の割合で起きているそうです。

 

わたしの中で湧き出た疑問

以前のわたしなら「それは大変だ。なにができるだろう」と素直に考えたのだと思います。

研修を聞いているうちにモヤモヤしていました。

心の声に耳を傾ける…。

それ、本当に必要?

小学校に入って座って話を聞けるために、学級崩壊にならないために幼児教育を変える?

NVCを学び始めて「自分が自分らしくありのままを認めたい」と思っているのに…。

こんなことを教員たちは勉強している、ということを伝えるために続きを書きます。

 

研修内容

小学校へ入学するときに子どもが感じる段差にはどんなものがあるか。

登れない段差

  • 国語、算数などの教科学習
  • 時間で区切られた授業
  • 教室での座学中心

下りたくない段差

  • 最年少の1年生は出来ないことが前提になっている
  • 早い下校時間

登れない段差にばかり目を向けがちですが、下りたくない段差もあるのだということは発見でした。幼児教育では最年長のしっかり者として生活し、自分でやろうとする意欲を大切に過ごしてきたのに、小学校に入ったらヨシヨシされる生活になる。

段差は取り除くのではなくて「自分で上れる」「みんなとがんばる」「ちょっと助けてもらえれば出来る」滑らかな段差を目指す。

具体的な対策

アプローチカリキュラム(円滑に小学校の生活や学習へ適応できるようにするとともに、幼児期の学びが小学校の生活や学習で生かされてつながるように工夫された5歳児のカリキュラム)とスタートカリキュラム(幼児期の育ちや学びを小学校の授業を中心とした学習へうまくつなげるため、小学校入学後に実施されるカリキュラム)を作り、幼児教育と小学校教育を分けずに接続することを目指すというもの。

ステップ0からステップ4など細かく段階が分かれているのですが、その説明は省きます。

具体的な例です。

  • 小学校教育に入っても、幼児教育で大切にしてきた読み聞かせの時間を続ける。
  • 生活に見通しがもてるように、ボードなどを利用して分かりやすく示す。
  • 幼児教育から個の遊びを集団での遊びに広げていく。
  • 幼児教育から給食当番の身支度を取り入れていく。
  • 食事開始時間も遅くする。食べ終わる時間の目安を分かりやすく示す。

本当の問題は小1プロブレム発生ではないかもしれない

「なるほど、それいいかも」というものもあれば「必要?」と思うものもありました。

集団での遊びで学べることもあるけれど、個としてなにかに夢中になって取り組んでいたら、それを尊重しても良いように感じる。

給食当番の方法を幼児教育から教えることが必要でないとは思わないけれど、目的が違うのでないか。

だらだらと長時間食べている子は気になるけれど、みんなが同じ時間内でせかせかと食べ終えることよりも、ゆったり美味しく食べられる時間が小学校教育でも必要なのでは?

「みんなと一緒に」を批判するつもりはないのです。

ないけれど…この研修に参加したことで、もっと個を大切にしたいがわたしの中にあるということに気づきました。

小学校教育へのバトンとして、幼稚園や保育園からその子の特性についての引継ぎがあります。そこには「この子は〇〇な特性をもっていますのでご注意を」「この子とこの子は同じクラスにするとトラブルがおきがちです」そんな内容が入っています。ご存じでしたか?

そのバトンが必要かどうかはちょっと置いておいて、上手く渡らないことも多々あります。

引継ぎに参加した先生が違う小学校に移動することもあるからです。移動するかどうか公務員の場合はぎりぎりにならないと分からないことが多いのです。

ショックだったのは、その引継ぎ内容に関してある小学校の先生が言った言葉。

「問題のある子の情報も欲しいけれど、その親にも問題がある場合が多い。親の情報も欲しい」と言ったのです。

そして、それに対して密やかな笑いがドッと起きたこと。

心配な子の保護者が抱えている大きな痛みを笑いにするのは嫌だ。

 

多様性×教育に必要なものは受容と共感だと思う

自分が嫌な思いを味わったとき、否は相手にあると思いがち。

実は自分のなかに、受け入れられない痛みがあるけれど気づくことが難しい。

あるいは気づいているからこそ見るのはこわい。

その状態をゼロステップといいます。

相手の感情や願いを探るワークでは、相手と同じ深さで潜ることを学びました。

相手がゼロステップのときには探れないし、探らない。無理して掘っても蓋も願いも見つからない。

わたしも夫や希生と話すときに、一人でグングン潜らないことを意識しています。

感情を探ることに対して、苦しさを感じるかたもいますよね。そんなときは「苦しいと思う自分がいるな」と感じて下さい。

そして「あなたはこう思うんだね」と受け入れる。

その先生がバトンについての発言をしたときに、無意識に自分の蓋を閉めようとしました。

でも、聡子先生の言葉を思い出して「わたしはこう思うけれど、あなたはこう思うんだね」と相手の言葉を受けとると同時に、自分の気持ちを確認しました。

特にわたしたち教員は、守りたいものが多すぎて~するべきが多くなりがちかも。

この研修を受けて、教育や保育を変えたいと思いました。

今までは、自分や自分の周りのことでいっぱいいっぱいだったのに、気づいたら世界が広がっていた。

どんな気持ちって?

果たして自分に出来るのかと、不安でゾワゾワしています。

同時にすごいパワーが自分から出ているのを感じる。

幼児教育から小学校教育へのバトンに必要なことは、その子の欠点ではなく持っている素晴らしい特性であるべき…べき出ちゃった(笑)で、あってほしい!

皆さんが思う日本の教育について、どう思っているのか知りたいです。

こんな痛みがあった。こんなふうに変わってほしいが、もしもあったら教えて下さい。

最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。

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