もしも希生(息子)に「学校に行きたくない」と言われたら、どうしていたのだろう。
高校生になった今なら、動揺はしても受け入れられるような気がする。
小学生の頃だったら…?
フルタイムの仕事に父の入院で、毎日がバタバタ嵐のように過ぎていたあの時期だったら、希生の思いを受け止める余裕があったのだろうか。
子どもが「学校に行きたくない」と言ったときに掛けてしまいがちな言葉
講座の中のワークでは、子ども役と母親役に分かれて「学校に行きたくない」と言ったときの寄り添い方について学びました。
「学校に行きたくない。Bちゃんに学校来ないでと言われた。もうわたしなんていらないんだ。だから学校には行かない!」
- Bちゃんにそんなこと言われたの?Bちゃんってそういう子なんだ。そういう子とは離れなさい。他の子と過ごせばいいのよ。
- そういうことはよくあることよ。イチイチ気にしないの。
- 今日は仕事で休めないわ。先生に相談してみたら?
- あ~そうなんだ。いいよ、休んだら。
子ども役が感じたのは「受け取ってもらえない感」でした。
よい悪いの判断でもアドバイスでもなく、全てを受容する
全てを受容する大切さについて学びました。
- 学校に行きたくない気持ちがあるんだね。
- Bちゃんに言われてショックだったね。
- また言われたらどうしようっていう不安があるよね。
何が必要か、どうするべきか、よい悪いでもなく全てを受容する。
受容がないまま、どんなに完璧なアドバイスをしたとしても「誰も分かってくれない」という気持ちが生まれてしまう。
安心感が生まれた状態で「安心して学校へ行けるために、お母さんが出来ることはある?」と聞く。
この一言を聞いたとき、ブルッと震えるくらいの感動がありました。
そして、自分のしてしまった失敗にもブルッとなりました。
わたしの失敗
わたしは、希生に対してイライラを抱えていました。
理由は希生が気づいて行動が変わることを期待していたのに、その願いに応えてくれなかったから。
レアジョブ問題
希生はオンライン英会話レアジョブで学んでいます。
将来、国際的な仕事に就きたいという夢があるそうです。
月8回コースを選択していて、月々の費用は4.200円。年間だと50.400円です。
高校は隔週土曜日も授業があり、その他に模試や行事もあって忙しい。
土日にレッスンを入れられれば月に8回出来るのですが、週に1回しか出来ない時も多いです。レッスンは20回までは保有出来ますが、それを越えると消滅してしまうのです。
忙しさは理解しているから、レッスンが出来ない週があっても仕方がない。
お金が無駄になるのは嫌だなぁという気持ちがあるけれど「やりなさい」と言いたくない。
二つの感情の狭間で数ヶ月……もっと長い時間モヤモヤしていました。
7月に入ると短縮授業も多くなり、部活に入っていない希生は帰宅時間が早くなりました。時間が出来ればするのだろうと思っていたら一向にレッスンをしない。
モヤモヤがイライラに変わって火がつき、カッとなって言いました。
「どれだけ待っていたと思っているの?やらないなら辞めちゃいなさい。続けてほしいなんてお母さんは思っていない」
希生はムスっとして、レッスンの予約を入れました。
そんな直後のこのワーク。
痛い……痛すぎる。
受容せずに、自分の感情をぶつけてしまった。
改めて希生と向き合う
ワークの翌日、もう一度話しました。
「この間は感情的に言ってしまってごめんね。レアジョブについてどんなふうに考えているか教えて」
すると、希生は学校の授業や課題に追われていて忙しいこと。夏休みの課題も出たので、早めに進めたいこと。
レアジョブが後回しになってしまったり、予約を忘れてしまったりした事実は認めるけれど、続けていきたいと言いました。
「忙しくて自分のやりたいと思うことがやりきれないという気持ちがあるんだね」
「後回しになってしまうけれど、続けたいという気持ちがあるんだね」
学んだ通りに受容します。
「お金が無駄になったのは申し訳ないという気持ちはあるけれど、僕の忙しさを分かって欲しかった」と言いました。
分かってるさ!分かっているから我慢していたのよ!と口を滑らせそうになるところをグッと我慢して「分かって欲しかったんだね」と受けとめました。
そして「お母さんの中には、希生の学びたい気持ちを応援したいという思いと、お金を無駄にするのは悲しいという願いがあるよ」と伝えました。
最後に「希生がレアジョブを学び続けられるために、必要なことは何かある?」と、聞くと「夏休み中はなるべく回数を増やしてストック出来る回数を減らしてみる」と言いました。
このままハッピーエンドになったら理想で終わるのですが、夏休みに入ってもレッスン予約を全くしませんでした。夏休みに入った安心感で、すっかり忘れていたようです。
モヤモヤが膨れていく。でも、信じたい。我慢の日々が続きました。
子どもをサポートするためには、子どもの特性を知る
7月が終わりそうなある日、急に思い出したようです。
そそくさとレッスン予約を取り、開始時刻を忘れないようにスマホでアラームをかけました。
その日から、予定のない日はレッスンをしています。
その姿は「予約どうする?」「レッスン入れた方がいいんじゃない?」とわたしに声を掛けられて動いていた頃とは別人です。
中途半端に介入してしまったためにやる気を削ぎ、いつしか「やらされている」行動になってしまっていた。
「安心して学校へ行けるために、お母さんが出来ることはある?」と聞いて返ってくる答えは、その子によって違います。
その子に合ったサポートをすることが大切だそうです。
励まして頑張れるタイプ?
スキンシップでパワーが出るタイプ?
希生はどんなタイプなのかなぁと考えてみました。
- 選択肢の中から、自分で選んで実行する(選ぶ楽しさがある)
- 細かい部分は口出しせずに見守り、成長した部分を伝える
レアジョブ以外に、もっと回数が少なく設定出来るオンライン英会話があるという発見をしました。選択の幅が広がったことで、余裕が生まれたみたい。
出来ればレアジョブをこのまま続けたい、そのためには時間があるときにはレッスンをしようと考えているようです。
自分にゆとりがないときには、子どもの気持ちを受容することも待つことも難しい。
夏休みに入ってもレッスンを開始せず、再度モヤモヤが膨らみはじめたときに自分の感情とつながることを意識し続けました。
意識することで、知らない間に沸点に達してキーっとなることは防げたような気がしています。
希生との会話が、願いを語り合えるように変化してきました。
すると、わたしにとってショックな発見が…。
それはまた、お話しします。
最後に
ブログやTwitterで交流させてもらっているさとみんさんから「たよらこそだてを読んでいいことがあったんです」とお子さんとの関係の変化を教えて頂きました。胸がじんわり温かくなりました。
記事を読んで感じることはその方それぞれだと思います。
- 読んでいて苦しい。
- 感情について深く考えたくない。
- 人との関りを大事に感じていない。
そう自分は感じているのだなぁと意識してもらえたら、それだけで十分です。
今日のシェアは聡子先生の最近の活動を。
わたしもいつかアシスタントとして参加したい!
新潟県長岡市の公立小学校にて教員向け対話研修。
ネガティブな感情は受け入れたくない、というベテラン教務主任。
その奥にある魂の声に触れる美しい場。