保育園や幼稚園教で20年以上子どもたちと関わり、保護者とも向き合ってきました。現在は子育てワークショップを開催したり、ココナラで子育て相談を受け付けています。
ママたちの声を聴いていると、大きく分けて2つのタイプがあるなぁと感じています。
- 毎日が大変すぎて子育てを楽しめないと悩んでいる人
- 努力して工夫して子どもと接しているのに、思うように育てられないことに悩んでいる人
両方抱えている人もいます。
どちらのタイプのかたも「本当はもっと楽しく、力を抜いて子育てしたい」という願いがあるのですよね。
自分のスペースが足りず、毎日が大変すぎて子育てを楽しめないと悩んでいる人へ
どうしてこんなに子育てって大変なのでしょうね。
朝起きてから寝るまで、常にざわざわ、落ち着く時間がない。
忙しいときにワガママを言われて、つい頭ごなしに怒ってしまう…。
寝顔を見ながら今夜も一人反省会。
一日の中で1時間でもいいから、自分だけの時間がほしいですね。
つい「ないもの」に目を向けがちですが「あるもの、欲しいもの」を見つけてみませんか。
時間やスペースができたらどんなことをしたいですか?
ワークでアンケートを取ったら出たものです。
- 一人で買い物に行きたい
- ボーっとしたい
- マッサージに行きたい
- 友だちと旅行に行きたい
- 美味しいものを食べに行きたい
- 美容室に行きたい
- ゆっくり寝たい
美容室に行きたいとか、ゆっくり寝たいとか…涙が出るよね。
どれだけ自分のことを後回しにして、子どものこと、家族のためにママたちが頑張っていることか…💦
リストの中で、今すぐは難しいものもあれば、もしかしたら実現可能なものもあるのでは?
夫や親に協力してもらえそうなら、自分の願いを話して数時間の自由をもらうのもいいし、頼れない場合はシッターさんや子育て支援サービスを使ったっていいですね。
自分を犠牲にしてゆとりのないギリギリのママと、休息の時間をとれて満たされたママ。どちらが子どもと向き合えるかな。
…なんて、わたしも息子が小さいときは「わたしがいないと寂しい思いをさせてしまう」って思っていました。一時保育の登録をしたのに、使えなかったんです。

この発想が普通ではなくて、広い目で見たら「ザ・日本人的」な固定概念だったと知ったのは、子育てが終わりそうになってからでした。
インドネシア人になる必要はないけれど、自分の思っている当たり前が当たり前ではないかもしれないと思える記事です。
自分なりに子どもを愛して接しているのに、思うように育てられないことに悩んでいる人
わたしのところに相談にきてくれるかたは、こちらのタイプのかたがとても多いです。
- こんなふうに育っているのは自分のせいではないか
- 子どもの苦手を克服するために、寄り添っているのに本人のやる気がでない
- 子どもに愛情を伝えたいのに、うまく伝わらない
- 理想のお母さん像からほど遠くて自分が嫌になる
十分頑張っているのに、自分を責め続けている人が本当に多い。
自分はまだまだ、足りないって思っているんだよね…
こちらも「ないもの」ではなく「あるもの」を見つけてみましょ。
自分が子育てで大切にしてきたこと。大切にしたいと思っていることはなんですか?
子どもがどんなふうに育ったら幸せかな。
これを探求していくと、小さなころに満たされなかった自分がピョコとでてきます。
子育てって知らぬ間に、小さな自分を満たすための行動をしていることがよくあるんです。
そこに気づけると、自分がどれだけ頑張っていたかに気づくことができます。
頑張りすぎないためのチェック
例えば、お子さんが宿題や学校の準備を自分からサッサとやらないことにイライラすることが多い。
習い事に関すること、おもちゃの片づけなんかも相談内容で多いです。
子どもに自立してほしい、自分で考えて行動できる人になってほしいが願いだったとします。
そのために親としてできることって何だろう。
- 目をつぶって自分と向き合う時間を作って下さい
- 本当はどんな母親になりたいと思っていますか
- 子どもにどんなふうに育ってほしいと思っていますか
- それはどうしてそう思うのですか
いつまでも可愛くて、わたしがいないと何にもできない人に育ってほしければ、何でもやってあげる選択もあります。
お金がある程度稼げる職業について生活は豊かだけれど、心に穴が空いている人に育ってほしければ、感情を置き去りにして教育に力を注ぐこともできます。
誰も信用できずにいつもビクビク周りを見ながら生きていく人に育ってほしければ、共感せずに自分の意見を押し付けていきます。
自分の軸を大切にして、お金よりも地位よりも自己充足できる人に育ってほしければ、ただ寄り添って必要最低限の手助けをすればいいですね。
自立してほしいと願いながら、心配で口を出しまう。
子どもがどうしたいかではなく、大人がこうあるべきという価値観にはめようとしていることってついついありますよね。
先日動画配信で受けたセミナーで、幼稚園や保育園での歌の選び方に関してハッとさせられた言葉です。
ポイント
「行事だからこの歌、何月だからこの歌を歌わなければ」「ピアノは上手に弾かなければ」「歌は元気に歌わなければ」そんなふうに考えて歌うことで満たされるものはなに?
誰のための歌なのか見失っていることがないかな?
大切なのは目の前の子どもたちがどんな顔をしているかだよね。
成長のためにはこれが必要だ。
こうしたら効果的なのに、とアドバイスすることが子どもの自立や自主性を阻んでいることもあるかもしれません。
わたしも息子が安全に通れる道を、一生懸命に作っているときもありました。自分がそうしたくてしているのに、息子のためにとイライラしていたことも。
本当は息子自身が自分の道を作っていくのを見守るだけでいいんですよね。
怪我や回り道など、大人にとってイライラしがちなことこそ、学びになるんだって今はすごく感じています。
じゃあ、今できることってなに?

放任は、自分と子どもの間に壁を作ること。見える場合もあるし、見えない場合もあるかもしれません。
見守りや寄り添うには、程よい距離はあっても壁はありません。
泣いていたら「どうしたの?悲しいね~」でいいし、困っていたら「困ったね~、どうしようか」と声をかける。
「あれ買ってーー!!」と駄々をこねたら「ほしくてたまらないんだね。どうしてあれが欲しいと思ったの?」と聞く。
寄り添うこと=全部許容することではないし、答えや近道を伝えることでもありません。
気持ちを受けとめるだけ。必要に応じて選択肢をアドバイスしてもいいけれど、選ぶことは見守れるといいですね。
答えに困ったときは「お母さんはこういうことで困っているの」と素直に伝えちゃえばいい。
なんでもできる「いい母親」や「優しい母親」にならなくていいですよ~。

そうは言ってもうまくいかなーい…。
頑張って意識したのに、子どもを枠にはめてしまうとき、そこには理由があります。
理由を一人で探すのが難しいときには、子育て相談もお役立てください。
頂いた感想
とても丁寧で、あたたかい言葉を毎回かけて頂き、自分の中にあった頑なな気持ちの塊が、ふんわりと溶けていった気持ちになれました。
初めて自分のことを『よく頑張ってきたなぁ』と認めてあげられたのは、すごく大きなことだったと思っています。ありがとうございました。
子育て・人間関係の悩み相談にのります 幼児教育や保育に20年以上携わり、発達障害保育経験もあり
今やり取りしているかたも、自分と繋がりだしていています。
わたしがワクワクしています♪
まとめ
- 自分のスペースが足りず、毎日が大変すぎて子育てを楽しめないと悩んでいる人は、時間ができたらしたいことリストを作って、できそうなことから実現してみる。
- 自分なりに工夫して子育てを頑張っているのに、思うように育てられないことに悩んでいる人は、自分が子育てで大切にしてきたこと。大切にしたいこと、子どもがどんなふうになったら自分が幸せだと思うかのリストを挙げてみる。
- 自分と向き合う時間を作る。
- 同情も批判もせずに、ただ共感的に聞いてくれる誰かに話す。
頑張りすぎない子育てが楽しいって分かっていても、頑張っている人にはそれが出来ないから苦しいのですよね。
自分が頑張りすぎる理由を探り、本当は子どもにどう育ってほしいのかを、もう一度立ち止まって考えてみませんか?
