退院後の食生活
退院後の脂質制限と給食対応、旅行時の食事についてメモします。
一食あたりの脂質は25gまでに抑えるように指導されました。
ご飯にハンバーグ、コーンスープにサラダや添え物のポテトに人参のグラッセで脂質は30gを超えます。
揚げ物の定食では40gを超えることも…。
家ではなるべく和食。
煮る、油少な目で焼く、蒸す。
みそ汁に具をたっぷり入れて満足感を増す。
脂質をおさえながら、食べ盛りの希生(息子)がお腹がいっぱいになるもの…。
ご飯のことばかり考える日々でした。
給食の心配
心配だったのは給食です。
救急車に乗るのは毎回給食後。
振り返ってみると、魚のフライが多かった。
退院後しばらくはお弁当を持参しました。
保健の先生と面談して、給食のエネルギー一覧を頂けることに。
牛乳は200㎖で8gほどの脂質があるので中止しました。
牛乳を止めるために診断書が必要と言われてびっくりしましたが、仕方がないのでもらいに行きました。
給食の脂質を見て食べれないものがある時には、その代替えを自宅から持っていくことになりました。
からあげの代わりにつくね。
カレーの代わりに親子丼の具。
揚げパンの代わりにおにぎり。
周囲の友だちには恵まれていたので、持参したおかずを覗き「うまそうだな、ずるいぞ」と笑わせてくれたようで救われました。
修学旅行の食事
中学校の修学旅行、高校に入ってのセミナーや研修では、宿や旅行会社と直接わたしがやり取りをしています。
脂質制限を知っている人は少ないです。
学校から「直接宿と相談しますか」と聞かれてやり取りしてみたら、誰かを介するよりもスムーズでした。
それからは「こちらで宿と直接相談します。連絡先を教えて下さい」とお願いしています。
宿や旅行会社とのやり取りは、まず食事のメニューを教えてもらって脂質をチェック。
どのメニューが食べられないかを伝えて、代替えしてもらえるかを相談します。
ありがたいことに親切なところが多くて、すき焼きの肉を牛から豚ロースに変えて下さったり、ドレッシングをノンオイルにして下さったり、感謝しかありません。
希生に、そのやり取りを伝えます。
「ありがたいなぁ」と言う希生に「その思いを伝えていらっしゃい」と言っています。
体に弱い部分があることは希生のせいではありません。でも、考えて配慮してくれた方に感謝出来る人でいてほしい。
海外研修での食事
昨年海外研修に行くことが決まった時は、心配で仕方ありませんでした。
そんな心配をよそに、ケロリとした顔で帰ってきました。
食事はバイキング形式が多かったようで、脂質制限食を開始して一年以上経過していたこともあり、自分で食べられるもの食べられないものを見分けたそう。
お腹がいっぱいにならなかった時のために、レトルトご飯にお茶漬けに…と持たせたけれど、一つも食べてきませんでした。
「今はどこでもコンビニがある。困ったことはなかったよ」
そう言う希生にたくましさと成長を感じました。
機内食はベジタリアンメニューに変更してもらいました。肉が食べられないわけではないのですが、揚げ物が出たら食べられず満腹度が下がると思ったからです。
念のために診断書を英語で書いてもらって持たせました。
必要にはならなかったけれど、お守りになったので持たせて良かったと思っています。
まとめ
病気に対しての知識を、子ども自身がもつことは大切だと思います。
どんなものを食べられて、どんなものは食べることが難しいかを毎日の食事の中で伝えました。
海外渡航する前に「膵炎」というワードについて改めて自分で調べていました。
「結構怖い病気なんだね…」
不必要に怖がることはないけれど、そういう面を知ることも大切だと思います。
高校生になり、毎日お弁当で大変ですが、わたしにも希生にも安心感があります。
膵炎になった方のブログをあちこちで見ていて、わたしが感じていたことと一致していた部分がありました。
その方は「食後に休憩せずに動くと痛みが出やすい」と書いていました。
希生の話の中に出ていたキーワードと似ています。
- 給食の時間が少なくて10分~15分しかない
- 食べた後すぐ動かなければいけないことがある
医学的に証明されていることではありませんが、膵臓の奇形が原因ではないのでいくつもの要素が組みあっているとしたら、そんなことも関係しているのかもしれません。
「高校はいい。ゆっくり食べられる時間がある。お弁当の時間が癒し」
味わって食べられるって幸せだよねぇ。
もりもり食べられる希生を見ていられると、お母さんも幸せよ。
日々の幸せを感じながら、未来に向かって歩いてほしい。
今、近い未来の一人暮らしに向けて脂質を落とす料理法を伝えています。
長いシリーズになりました。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。