何度も繰り返す痛みの原因
3回目の救急車で急性膵炎と分かり、入院した希生です。
絶食と点滴で経過が良くなり、食事を開始。
脂質を上げていくと痛みが再発する…という繰り返しでした。
「アミラーゼの数値がすごく高くなるわけではない。特に今回はほとんど変わっていないのです」と主治医の先生が言いました。
「他に何か原因でも…」
違う病気が併発しているのだろうか。強い不安が走りました。
「もしかしたら神経性疼痛かもしれません」
神経性疼痛(とうつう)とは
神経障害性疼痛とは、神経の損傷あるいはそれに伴う機能異常により起こる痛みで、様々な知覚異常を伴います。
障害された神経の場所によって、「末梢性」または「中枢性」の神経障害性疼痛と呼ばれています。
末梢性の代表的な疾患には坐骨神経痛・帯状疱疹後神経痛や糖尿病神経障害に伴う痛み・しびれなどがあり、そのほかにも三叉神経痛・絞扼性末梢神経障害(毛根管症候群など)・神経根障害など多くの病態が含まれます。
「受けた痛みが大きかったために、その痛みを脳が覚えてしまい症状がなくても繰り返されている」のかもしれないとのことでした。
「リリカというお薬が効くかもしれないので試してみますか?」と聞かれて藁にも縋る思いでお願いしました。
リリカの服用開始
朝晩のリリカ服用が始まりました。
副作用には「眩暈、傾眠、浮動性眩暈、浮腫、疼痛、体重増加、意識消失、転倒、骨折、心不全」と書かれています。眠くなりやすいというのは慣れるまであったようですが、その他の副作用は出ませんでした。
プリン、粥、そしてエレンタールドリンクというものを栄養補助として出されていましたが、激マズだったそうで辞退していました。
遺伝子検査を受ける
膵炎の原因を探るために、夫とわたしも血液検査を受けました。
結果は陰性でした。
MRI検査・内視鏡検査
膵臓の奇形が原因かもしれないと予想していたのですが、異常は見つかりませんでした。
ホッとすると同時に、痛みの原因が掴めない不安。
看病と家事と仕事
希生が入院中も、仕事は続けていました。
その頃は幼稚園の補助をしていたので、状況を説明してバス乗車後はすぐに帰らせてもらうことが出来ました。
その時のわたしの一日は
朝8:00~8:30病院へ
9:00~14:30仕事
15:00~18:00病院へ
帰宅後家事。
早めに帰ろうと思っている時に腹痛が起きたり、帰宅後すぐに腹痛が起きたりしていました。
何が起こるか分からないという不安がわたしにも希生にもあって、そばにいられる時は寄り添おうと思いました。
やっと退院
膵炎の原因は分からないままでしたが、食事の脂質が20まで上がりました。
入院から3週間、やっと退院です✨
入院中わたしも大変でしたが、一番大変だし辛かったのは希生です。
イライラをそっけない態度や言葉でわたしにぶつけることはありました。受け止めてあげられる時もあったけれど、疲れていてはねのけた時もあります。
それでも、ずっと前向きだったな。
「ダメだ」とか「もう嫌だ」とか一度も言わなかった。希生が前向きだったから、わたしも頑張れた気がします。
入院中は、二人でたくさん会話しました。
未来について。
退院後に食べたいもの。行きたいところ。やってみたいこと。
脂質制限開始
退院とともに脂質制限食が開始です。はじめは1食の脂質を20gまでに抑え、その後25gまで上げました。
脂質を気にして料理を作ったことはなく、はじめは大変でした。
今は慣れて「このメニューなら脂質はこれくらい」ということが、わたしも希生も分かるようになりました。
繰り返す入退院
給食後に腹痛、救急車で病院へ…は、この時だけでなくその後もありました。
入院にはならなかったものの、通院して検査は何度も。
細部を調べるための内視鏡検査入院もしました。それでも膵臓の異常は見つかりませんでした。
急性膵炎から慢性膵炎へ?
再度救急車で運ばれた時、希生は中学3年生の12月でした。
何度も繰り返す痛みに対応するために、リリカの服用をやめて慢性膵炎の薬を飲み始めることになりました。
慢性膵炎の薬を飲むことは、ショックではありましたが背に腹は代えられない。
自分で行きたい高校を見つけて頑張っていました。
無事に受験日を迎えてほしい。
元気に過ごして欲しい…。
※次回は、長期間学校を休んだ際の勉強方法について書きます。