保育士と幼稚園教諭
今日は保育士・幼稚園教諭の資格の違いや仕事内容の違いについて書きます。
保育士
「国家資格である保育士資格を保有し、都道府県知事への登録をした者。また、日々保育を必要としている子どもに保育所などにて保護者に代わり保育をする者」と定義されています。
資格を取得するためには、
- 保育士資格試験を受験して合格する(合格率は20%前後)
- 資格の取得が出来る学校へ通い、単位を取得して卒業する
のどちらかが必要です。
わたしは短期大学で勉強し、卒業と共に資格を取得しました。
学んだ内容は
- 保育の心理学
- 保育原理
- 児童家庭福祉
- 社会福祉
- 教育原理
- 社会的養護
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
など。
実習場所は保育園のほか、乳児院や障害者施設もあります。
わたしは保育園と障害者施設に2週間ずつ行きました。
学ぶ内容を見て気付いた方もいると思いますが、福祉が多く含まれています。
管轄は厚生労働省です。
幼稚園教諭
こちらも国家資格で、幼児の教育に携わります。管轄は文部科学省です。
一種と二種があり、資格を取得するためには最低2年間学校に通う必要があります。
- 4年制大学で勉強する…幼稚園教諭一種免許取得
- 短大または専門学校で勉強する…幼稚園教諭免許二種取得
一種と二種の違いは一種が園長など園を運営することも出来るのに対して、二種は主任までしか出来ません。とはいえ通常の保育をするのに、二種で不便することはありません。経験を積み、各自治体が定める養成機関で一定の単位を取得すれば二種から一種への切り替えも可能です。
学んだ内容は
- 日本国憲法
- 国語表現
- 幼児音楽
- 造形表現
- 幼児体育(リトミックなど含む)
- 教育原理
- 教育心理学
- 発達心理学
- 臨床心理学
- 保育原理
- 社会福祉
など。教育原理や福祉原理は保育士資格の学びと重なっています。
実習場所は幼稚園です。
1年生で1週間、2年生で3週間の実習に行きました。
給与は違う?
わたしが働いてきた中で、大きな違いはありません。哀しいけれど、幼稚園も保育園も安い。
一種免許を取得している同僚に聞いたところ、ある程度は優遇されるようですが、大きな差はありませんでした。保育業界全体が低いためと思われます。
※園によって違いますので確認を
給料の中の交通費がどれくらい出るのか、給食代は別途支払いかなどもチェックが必要です。以前働いていた保育園では、給与をもらうと支払うものが多くて悲しくなりました。
仕事の内容の違い
- 保育士…朝晩・遅番勤務あり。0歳から18歳までの年齢を対象にしています。保護者に代わって子どもを保育(守り育てる)役割をします。
- 幼稚園教諭…仕事内容に大きな差はありません。対象年齢は3歳から5歳児(2歳児から預かっている園もあります)。保育とともに教育的な内容も指導します。
どちらがラク⁉
どちらもラクじゃないです。ラクな仕事もないですよね。
幼保一体園で働くわたしは、最近は保育園側にずっといるものの、その前までシフトは幼保入り混じっていました。
幼稚園で働く日、保育園で働く日を交互に経験して思ったこと。
保育園、腰と腕の痛さハンパない!
幼稚園、息つく暇が一切ない!
保育園は乳児がいるので抱っこが多い。体力的にヘトヘトになるものの、お昼寝の時間があって一息つける(あっという間に誰か起きるけど)。
その時間に掃除など違う仕事をしていたとしても、子どもと離れている時間って貴重✨
幼稚園は息つく暇なく時間が過ぎていくけれど、2時や3時には降園でした。
怒涛のように動いて声出して、降園後は疲れた体にムチ打って掃除まで頑張る。
そしてその後は、机に座って製作準備や日案を練ったりする。仕事はしているので休憩ではないのですが、一息つけるこの時間は貴重でした。
それが最近は、延長保育なるものが増えた…。
子どもも大人も高速道路をずっと走っているみたいな感覚なのです。
幼稚園補助からの延長保育担当の日は、帰宅後倒れました。
就職園を探す時には、休憩がどのくらい取れるのか、そして延長保育のありなしとその担当は誰が見るのか(専門スタッフがいたら最高)が分かると良いと思います。
どんなタイプがどちらに合う?
合う合わないあるの?仕事似ているんでしょ?と思うかもしれませんが、新卒で入ってくる先生を何十人も見てきて感じていることがあります。
保育園も幼稚園も3~5歳児は重なっているので、未満児(0~2歳)か幼児(3~5歳)かで分けた場合、タイプによってイキイキと仕事が出来る場所が違います。
幼児保育が合うタイプ
- 子どもを引っ張ることが出来る…パフォーマンスしたり、歌を大きな声で歌ったり、楽しいことや惹きつけるものが大きくて子どもの関心をギュッと集められる
- ピアノが得意…幼児になると発表会も本格的な園も多いので、ピアノが得意だと子どもの指導もスムーズ
- 大きな声が出せる…何十人を相手にすることも多いので、声が張れないと難しい
未満児保育が合うタイプ
- 大きな声を出すのは苦手
- 話す速度もゆっくり
- 動きがおっとりしている
- 優しすぎて子どもに引っ張られがちなタイプ
3歳児クラスの担任をしていた時には、声が小さくて子どもたちに届かずクラスの雰囲気は散り散りバラバラな先生がいました。
一斉保育をしなければいけない時間は必死で、それでもうまくいかず大変そうでしたが、1対1のやり取りは丁寧だったのです。
保育部門に移動して一斉保育も大きな声も不要な赤ちゃんの保育に変わったら、イキイキしていました。
わたしはリアクションが大きくて0歳児をびっくりさせちゃうことが多くて「たよらこ先生は1歳以上ね」と言われています。0歳児と触れ合いたーい♡
と思いつつ、こちらが頑張ってもどうにもならないことが多い0~1歳児は癒されるけれど、仕事的にはこちらの働きかけが成長に表れやすい2~3歳児保育が楽しいです。
4~5歳児は運動量が多くて厳しい…。
昔は鬼ごっこもサッカーも本気で出来たのにぃ。
幼稚園教諭免許更新
これについてはまた別記事で詳しく書きたいと思っていますが、10年ごとの更新が必要です。面倒くさいの。
2年間で30時間以上の受講が必要なのです。
一日6時間×5日間。
費用は受ける学校によって異なりますが、30.000円くらいかかります。
これが10年に一度って…。
保育士免許には更新制度はありません。
わたしが働いている幼保一体型園では、保育士免許を持っている人は保育園部門で働き、幼稚園教諭免許を持っている人はどちらでも働いています。出来るだけ両方の免許を持っていて欲しいと考えているみたいです。
これから幼稚園と保育園の境界線はどんどん薄まると思うので、本当に必要かどうかは微妙なところ。
まとめ
保育士と幼稚園教諭の違い、何となく伝わったでしょうか?
自分の性質(タイプ)・年齢を考慮して、どちらの免許を取るか、両方取るか。
どちらで働くかを考えると良いかもしれません。
最後までお読みいただき、どうもありがとうございました。