タイムタイマーと絵カードの違い
タイムタイマーは、時間の流れや残り時間を理解するためのものでした。
大まかな生活の流れや動きを知るために有効なのが、絵カードや写真カードです。
発達障害の子だけでなく、急な変化に弱いタイプの子、多動タイプの子にも効果があります。
Fくんが使用していたカード
わたしは以前、自閉症児Fくんの加配をしていました。
養護学校のT先生のアドバイスで、カードを使った支援を始めました。
時計の写真カード
園内の場所の写真カード
保育の流れの写真カード
これらのカードを組み合わせて、朝に1日の流れを伝えました。
少しずつ、パニックになることが減っていきました。
水が大好きで、プールを楽しみにしていたFくん。自閉症の子は水に興味がある場合が多いです。
雨だから入れないということを理解出来なくて、パニックになり怒って暴れることが続きました。
晴れたらプール。雨なら部屋遊び(好きな玩具の写真)というカードを作ると理解出来るようになりました。
言葉で伝えても上手くいかない時には、カードを使ってみると良いですよ。
カードを保育で利用する
通常の保育で使用する場面は、朝や降園準備の流れなど。
入園して数ヶ月経っても、流れが掴めずに遊びに行ってしまう子もいますよね。
そんな時にカードを使用しています。
- 登園(おはようカード)
- お便り帳を出す(シールカード)
- 帽子と鞄を掛ける(片付けカード)
最後に全部終わったら、遊ぼうカードがあると楽しいことへの見通しが持てて行動しやすいですね。
最初は一緒に確認しながら行い、次の段階で見えるところに貼ったカードを確認しながら出来るように見守ります。
最終的には、カードを使用せずに準備が出来ることを目指します。
カードの使用はその子に応じて
言葉で理解が出来るタイプの場合はカードを使用せず、言葉で伝える方法で十分です。
言葉で見通しを伝えます。
先日避難訓練があり、2歳児のある男の子に「もう少しで地震の練習あるの。練習だから大丈夫だけれど、すぐに逃げようね」とこっそり伝えておきました。
遊びを中断されるとパニックになるタイプの子です。
その5分後くらいに放送が流れましたが、パニックにならず皆と一緒に避難することが出来ました。
日めくりカレンダー
3歳で保育園に入園した希生は、毎朝泣いていました。
1~2ヵ月は仕方ないと思っていましたが、半年くらい泣いていました。
毎朝「ほいくえんいかない」と泣くので、お休みまであと何日か分かるように1週間の日めくりカレンダーを作ってみました。
- げつようび 1しゅうかんがんばろう!おやすみまで、あと5にち
- かようび おやすみまで、あと4にち
- すいようび おやすみまで、あと3にち
- もくようび おやすみまで、あと2にち
- きんようび あしたはおやすみ
- どようび いっぱいあそぼう
- にちようび きょうはどこにおでかけしよう
予定が入っているときには
- 〇〇におでかけ
とその予定も加えました。
すると、まず金曜日だけは明日はお休みだと目で理解して泣かないで済むようになりました。
木曜日もあと2日でお休みと理解して、大丈夫に。
月曜日は大人でも憂鬱な曜日なので仕方ないのですが、それ以外の日は泣かないで登園出来るようになっていきました。
絵カードを子育てにも応用
何度伝えても伝わらなくてイライラするときがありませんか?
もしかしたら、言葉で理解することが苦手なタイプ、時期なのかもしれません。
視覚的に理解するタイプの子の場合は、絵カードを使って伝えるとあっさり伝わる場合もあるのでお試し下さい。
見通しを伝える方法はその子に合ったものを
見通しをもつことって大人でも難しいもの。
先が見えない不安は子どもにとっては更に大きいです。
少し前の記事ですが、七子さんが息子さんと入学式の見学へ行っていました。
すごく有効な方法だと思います。
初めての場所・人…パニックに陥りそうな原因を一つでも取り除いておくことが出来たら、親子共に不安が減少しますよね(*^^*)
Fくんの加配の時にも、発表会の日には準備が出来たホールにこっそり入らせてもらっていました。
カードはひとつの手段であって、見通しを伝える方法はその子に合ったものを選んで下さいね。