公立高校受験の記録
昔は選べる範囲も狭く、学力によって志望校を決めることも多かったですよね。
学区が廃止されたことで、選べる範囲が広がったのは良いことなのですが、選び方に困りますね。
わが家の迷いながらの高校選びが、これから受験される方の参考になったら嬉しいです。今回も長文ですので、お時間のある時にお読み下さいね。
気になったたくさんの学校の中から、特に興味を持った学校は私立・公立それぞれ4校でした。
- 私立高校A・B・C・D高校
- 公立高校E・F・G・H高校
希生の受験した高校はD高校とF高校です。
中学3年生の春に考えていた第一志望校と、実際に受験した高校は私立・公立共に違っていました。
中学2年生
12月 高校見学・体験授業(E高校)
中学3年生
7月 高校見学・授業公開見学(F高校)
8月 高校説明会(G高校)
8月 進学フェア(E、H、F高校の先生と個別相談)
8月 授業体験(F高校)
9月 進学フェア(G高校の先生と個別相談)
10月 高校説明会(H高校)
第一印象はE高校
中学校に入り、最初に興味をもったのがE高校でした。
息子の好きな教科がぎっしりのカリキュラム。家からも近く、悪くない進学実績。
周囲から「え?狙っているのその高校なの?」と言われても、動じないくらい希生の決意は固かったのです。
現在通っているF高校へは、中学3年生の7月に授業公開を見に行きました。
希生の反応はイマイチでした。
後で聞いたら「無理だと思い込んでいたから」と言っていました。
学力をキープし続けることが出来れば届きそうなレベルでしたが、入学してから周囲についていけるのか心配…とわたしも感じていました。
周囲からの情報では「学力ギリギリで入ると、入学後に苦労する」「余裕を持って入った方が楽だし、大学の推薦入学にも有利」と聞いていたのでF高校よりはE高校の方が安心かもと感じていました。
E高校とF高校の学力レベルの差が大きいので、その間にあるG高校・H高校も視野に入れ始めました。
毎日分厚い高校案内の本を読んで情報を集めていて、本には付箋がいっぱいでした。
行きたい!と思える高校に出会うまで
進学フェアで各高校の先生方と話しました。
質問のメモが残っていたので書きます。
- 進学率・浪人率
- 行きたいと思っているレベルの大学への進学率
- 推薦や指定校推薦の枠の数や使える人の基準・選出方法
- 新しくなる大学入試への対応
- 予備校に通っている生徒の割合
- 部活動は強制加入か(それは何年生までか)
- カリキュラムの選択について
- 土曜日授業の日数
- 他の高校にはない、この高校だけの楽しい行事やポイントはありますか?
情報収集していく中で驚いたのは、大学の推薦枠は成績順に使えるとも限らないということです。学力が高い子には一般受験を勧める高校が圧倒的に多いのです。理由は、その高校の評価を上げるため。
進学率が高くなるし、使わなかった枠は他の子に回せます。それって何だかなぁ…と感じました。
最後の質問は面白かったです。その高校を知ることが出来る質問かもしれません。
E高校個別相談
第一志望に考えていたE高校の先生は、異動してきたばかりでこちらの質問に満足に答えてもらえませんでした。
後ろの方に暇そうな先生もいたのですよ。
担当の先生が答えられないたびにその先生たちに聞きに行き、それをわたしたちに説明です。モヤモヤ…。
最後には「もっと上の高校へ行ったほうが良いのではないでしょうか」と小さい声で言いました。
えっ⁉
この学校を志望しているのに?
希生とわたしは目がテンに…(゜゜;)
H高校個別相談
H高校は単位制を取り入れている学校でした。自分でカリキュラムを選択出来るところに興味を持っていた希生です。
H高校の先生には勉強方法について聞かれました。
今までは自力で頑張ってきたけれど、初めて塾へ行って夏期講習を受けることにしてみたことを伝えると「塾は3ヶ月は続けないと効果が出ないから、続けたほうが良いのだけどね~」と言われました。
高校が塾を続けることを勧めるって…?と、また目がテンに(((((゜゜;)
10月の高校説明会にも参加したのですが
「行くか行かないかは関係ない。国公立大学の進学率を重視している」
と公言していました。
その言葉を聞いて、希生もわたしも「ここではない」と確信出来ました。
生徒本人の希望は関係なく、国公立大学への受験を押す高校は公立高校・私立高校ともに多いです。志望しているならともかく、行きたい大学を自分で見つけたいタイプの子にはストレスだと思います。
F高校個別相談
最後にF高校の先生とお話ししました。
「うちはね…一応校則はあるけれど、ないのと一緒なんです」
「学校行事もほとんど口を出しません。子どもたちは楽しそうだし、先生は楽です😊とにかく自由です」とおっしゃいました。
その一言に希生の目が輝きました。
自主性の高い子たちが入学してくるので、制限が必要ないのだそうです。
「SGH指定校なので、目的がはっきりしていて審査に合格すれば補助金を頂いて海外研修へ…ということもあるんだよ」
「予備校に行く子も中にはいるけどね。学校の勉強をしっかりやっていれば大丈夫。目的をしっかり持っていることが大切」
わ~✨素敵な言葉。
夢みたいな話。
※SGH=スーパーグローバルハイスクール
英語の授業が充実しているだけでなく、国際理解やコミュニケーション能力を身につけられるカリキュラムが組まれている。実際に海外に出ての研修や国内での交流プログラムなども盛んで、国際社会で活躍できる人材の育成を目指す→実際に昨年、希生は海外研修に参加しました(*^^*)
希生の気持ちがグンとF高校に傾いたのは言うまでもありません。
G高校個別相談
9月の進学フェアでG高校の先生とも個別相談をしました。
G高校もF高校に近いカリキュラムでした。
ただし通学時間は2時間。
距離はあるけれど行ってみたい気持ちを伝えると「まぁ…来たかったらどうぞ~」的な雰囲気で、気持ちを一押しすることもなく終了しました。
各高校の先生と話してみて感じたことは、その高校を一人の先生で評価することは出来ないけれど、学校の雰囲気は掴めるなぁと。
そして、その時の出会いって偶然ではなくて必然かもしれないと感じました。
もしも第一志望だったE高校の先生が、こちらの質問にハキハキ答えてくれていたら、受験校は変わっていたかもしれません。
親が出来るサポートは?
私立のC高校も公立のG高校も家から2時間。
わたしは内心ドキドキしていました。
前回の記事にも書きましたが、希生は中学時代5回救急車で運ばれています。
仕事中に電話がかかってきて、中学校に駆けつけた回数はそれ以上。
30分の距離だって長く感じたのに2時間…
すぐに駆けつけられないよ。
そんなことを考えたら、胃がキューっと痛みました。
でも、言葉にはしないようにしました。
わたしの言葉で、希生の思いを変えたくなかったし、体調の不安を煽ることはしたくなかったのです。
「その学校を選んだときは選んだとき」
心の中で何度も自分に言い聞かせました。
信じて見守る。それが親が出来るサポートではないかと思います。
最後に背中を押した言葉
第一志望校だったE高校に、友人の娘さんが通っていました。
その娘さんに質問をしてみました。
「もう一度受験するとしたら、どこを受験する?」
答えは……
「E高校を一言で表現するなら軍隊かな。もう一度受験し直せるなら、違う学校に行くかも」
でした!
かなり厳しい校風だとは分かっていましたが、軍隊(・・;)
希生は苦笑いしていました。
この一言は大きかった。
受験時に心掛けていた言葉掛け
夫が希生に「今はどこの高校に行きたいと考えているの?」と聞くことがあり、気になったので二人だけの時に話し合いました。
「迷っている時にどうする?と聞かれたら困るでしょう。聞きたくなる気持ちはすごく分かるけれど、希生が答えを出すまでは待とう😊」と。
高校案内を読んでいるページやパンフレットを読んでいる姿を注意深く観察すれば、動いていく気持ちは何となく分かりました。
F高校が気になって仕方ないんだね。
模試での判定は大きく波打っていました。
安全第一のタイプな希生。
揺れる心、不安な気持ち。
「頑張っていればおのずと答えが見えてくるから大丈夫」と声を掛けました。
子どもの受験について友人や知人と話すときに、いくつか気になるキーワードがあります。
- 「うちの子は〇〇高校で良いと思う」→心の中で思っていても、伝えないで下さいね。「〇〇高校ってこんな高校なんだって。見に行ってみる?」とアイデアとして伝えてみるのが良いと思います。
- 「うちは絶対に公立じゃないとダメだわ」→家庭の経済状況によるので、何とも言えませんが、どうしても公立に行って欲しいのならば、家計の状況を分かりやすく伝えることが重要だと思います。どうしてダメなのか分からない制限は、親子の溝を生むだけです。
- 「勉強しないで遊んでばっかりで、もう後は知らないよ」→勉強に集中出来ない理由は何でしょうね。突き放しても、子どもが伸びることはありません。
「学ぶ理由についてずっと分からなかったんだ。
でも最近ちょっと分かるようになってきた。
自分の未来の選択肢を広げるためかもしれない」
と中学三年生の時に希生が言っていました。
自分の未来を考えたり、興味の持てることにじっくり取り組んだりした小学校時代の経験がすごく大切な気がします。
正解はないから難しいサポート
どんな学校へ行ってほしいですか。
良い学校?
良い高校って何が基準でしょう。
知り合いで県内トップ校に進まれて、有名私立大学に入学された方がいます。
3月で中退されたそうです。
勉強もスポーツも出来る万能タイプでした。
つい最近、そのママにお会いする機会がありました。「頑張らせたつもりはないのだけれど、気付かないうちに頑張りすぎていたのかもしれない」とポツリと話していました。←教育タイプには感じない素敵なママです。
将来が見えなくなったみたいで、悩む姿を見るのがとにかく辛いと。
きっと手厚いサポートをしてきたのだろうし、順調に進んで安心しかけた時の躓きは親子共に辛いだろうな…と言葉になりませんでした。
子育てのサポートって難しい。
「希生が元気でやりたいことに向かって生きていてくれたら万々歳」
忘れないように何度も呪文です。
心からそう思えたら、高校選びも子どもに掛ける言葉も変わる気がします。
苦手な理数に取りかかる
気持ちが固まったのは、中学三年生の秋でした。
目標が定まってからは別人でした。
夏までは苦手を捨てて、得意を伸ばす!と好きな教科中心の勉強でした。休憩時間が多くて長い効率の悪さでした。
それが勉強の予定を立てて、それに沿って取り組むように。
苦手な数学に取り組むようになったものの、もがき苦しみ成果が出ず…。
そんな時に声を掛けて下さったのがサトウ先生でした。
ご縁に恵まれたことに心から感謝。
受験当日と発表
私立受験の日は大雪。
公立受験の日は大雨でした。
受験に関する大事な日は、毎度テレビ画面にL字テロップ(災害情報)が出ていました。
受験日の天候って、本当に心配になりますね。
カッパを着て電車に乗って、受験へ。
合否が出るまでの1週間は長く重く…。
発表は一緒に見に行くつもりでしたが、まさかのお留守番(=友だちと行く~)を言いつけられ、じーっと待つ時間の長かったこと(´;ω;`)
「受かっていたよ」と帰ってきた希生から聞いたときの脱力感は、忘れられません。
まとめ
体調崩さず、受験を乗りきれたことに感謝。
希生の受験に並走してみて、ひしと感じたこと。結果ももちろん大切ではあるけれど
ゴール(高校入学)までの道のりをどんなふうに過ごしてきたのか
そしてゴールした場所でどう過ごすのか
ゴールは新たなスタートの場所
受験の主役が子どもでも、サポートしている間は二人三脚しながら先の見えない霧の中を走っている感覚でした。
大変でしたが、寄り添えた分ゴールした時に喜びも共有出来ました。
子育ての中で親が手を貸してあげられるのは、大きなことではこれが最後のような気がします。
高校生になったら自分のことは自分でやるし、大学選びも手を貸す必要はなさそう。
お金を出すだけ!
長い文章を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
納得出来る高校選びが出来ますように✨
・私立高校受験について
・家から2時間かかるG高校への気持ちが高まっていた時のことについて